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キャスト対談
第一回 興津和幸×津田美波



記念すべき第1回は、ミクリ・マヤ役の津田美波さんと、イド役の興津和幸さんのお2人が登場。
お2人が演じているキャラクターから、エスカベイト社の他のメンバーについて、さらには津田さんと
クレア役の金元寿子さんがユニットを組んで歌っているPVで使用されているキャラクターソングのエピソードまで、幅広い話題について語ってくれました。
■小動物のようなマヤと寡黙なイドは、実は気が合う?
――お2人が演じているキャラクターについて、ご説明ください。
津田さん:私の演じているミクリ・マヤは、責任感はあれども、
     人に言われていることに流されてしまっている女の子です。
     掘削業者のエスカベイト社に、ズルズルと引きずり込まれるようにして
     入ることになってしまって。
     私自身もけっこう流されてしまうところがあるので、
     マヤには共感できる部分が多いですね。
     途中で社長のグレイマンに言われる一言が、
     私自身にもグサッときたりするんです。

――本当に今時の、勉強ができる女の子みたいな感じなんですね。
津田さん:そうですね。動物にたとえて言うなら、マヤちゃんはリスみたいな感じですね。
     小動物みたいに、なんだかちょっとプルプルしているといいますか。
     そんな弱い、本当に普通の女の子のマヤちゃんが、
     物語が進むにつれてどんな成長をするのか?
     この作品でいちばん見ていただきたいところですね。

――興津さんが演じられているイドは、どんなキャラクターですか?
興津さん:エスカベイト社のイドは、オリハルトという非常に価値のある鉱石を、
     命がけで探す男です。以上!(笑)

――基本的には寡黙な男ですよね?
興津さん:そうですね。孤独なアウトローみたいな雰囲気を漂わせていまして、
     必要最低限のことしかしゃべらないので、よくマヤをビビらせています。

――口数は少ないけど、仕事はできるタイプ?
興津さん:仕事はすごくできますよ。なにしろ命がけですから。
津田さん:イドは二枚目担当で、リックが三枚目担当みたいな感じですよね。

――津田さんから見て、イドはどんな人物ですか?
津田さん:ミステリアスですよね。何を考えているのかもよくわからないですし。

興津さん:しゃべらない人って怖いよね。

津田さん:しかも、口を開いたら開いたで、話す言葉がまたちょっとキツいので(笑)。
     本当につかめない人ですよね。

興津さん:でもIマシンは青いからカッコイイでしょ。赤いマフラーも巻いてるし。

津田さん:そう、Iマシンもカッコいいんですよ。だから妙に惹かれちゃうんです。
     寡黙なのに魅力はすごくあるので、惹かれはするものの、
     イド自身は壁を作っていて手を出せないというか。不思議な魅力がありますよね。

興津さん:あんなにうるさいメンバーが周りにいたら、そりゃあ静かになりますよ。
     「オレがしゃべるスキはないな」って。

津田さん:イドはいつも空気を読んでるんだ! なるほど、それはスイマセンでした(笑)。

――では逆に、興津さんから見たマヤは?
興津さん:個人的には、けっこう好きですよ。

津田さん:本当に? マヤかクレアか、どっちを選ぶというのなら、
     クレアのほうが人気がありそうな気がするんですけど。

興津さん:クレアはちょっと怖いですよね。あの子は自分に酔っている感があるんですよ。
     しっかりと女子感を演出して、「ここは私の居場所よ」というのをアピールする子なので。
     それに対してマヤは、頭がいいし計算もできるんだけど、
     自分がやりたいことをまだ見つけられずにいる。
     本当に学生らしい、若者らしいところが親近感を覚えますよね。

津田さん:何か目的があるわけでもなく、とりあえず進学しておこう、みたいな。

興津さん:とりあえず大学に行ってから、やりたいことを見つけよう、みたいな。

津田さん:もちろん、そうした中で見つかる場合も多々あるはずですので、
     それが悪いということでは当然ありませんが、
――興津さん個人ではなく、イドから見るとマヤはどう映ると思いますか?
興津さん:うるさいヤツなんじゃないですか。「またうるさいのが増えたな」って思っていそう。

津田さん:たしかにマヤってうるさいですよね。「流されたから、まぁいいか」ではなくて、
     流されてるわりには反抗心があるので。

――イドにとっては気になる存在ではあるのでしょうか?
興津さん:気にはなっているでしょうね、「ここを掘ったら鉱石が出ますよ」といった具合に、
     マヤは身に付けた知識を生かしてレーダー代わりになってくれる便利な子ですから、
     イドとしては利用価値があると思っているんじゃないかと。
     イドと同じぐらい計算もできるし、冷静に計算して
     「ちょっとでもメリットがある選択肢を選ぶタイプ」ですよね、マヤは。
     しかも無理だと思ったらやらずに、自分にできることしかやらない。

津田さん:そういう点では、イドと気が合うのかなって思います。

■とにかく言いにくい言葉が多くて、収録は毎回、試練だった!?
――収録のほうはいかがですか?
津田さん:実はもう、全話の収録が終わっています。

――そうなんですね。現場はどのような雰囲気でしたか?
津田さん:すごく楽しかったです!

興津さん:他にはない雰囲気でしたよね(笑)。

津田さん:キャスト発表を見ていただいたとおりの豪華メンバーで、最初はとても緊張したんですよ。
     大先輩の方々がたくさん名前を連ねているなかで、
     ヒロインを演じさせていただく機会はめったにありませんから。

興津さん:そんなこと思ってたんですか。

津田さん:思ってましたよ~! 最初はすごく緊張していたんですけど、収録が進むにつれて、
     先輩方の皆さんが素のままでいてくださったので。

興津さん:そうだよね。たしかに、おすましさんはいなかったよね。

津田さん:そうなんです。何かこう、とりつくろう人がまったくいなかったので、
     自分もつくろわなくていいんだって。
     素の自分のままで演技に入らせてもらえる現場だったので、とても楽しかったです。

興津さん:オリジナル作品ということもあって、「これから先はどうなるんだろう?」とか、
     「これは次どうなるんだ?」とか、
     キャスト同士で作品に対するいろんなディスカッションをできたのも楽しかったですね。

津田さん:でも現場では、興津さんがすごくいじられていましたよね。
     興津さんはいつも真ん中のほうに座るので、両端からいじられていて(笑)。
     「淡路島って何があるねん?」みたいに。

興津さん:他のキャストの方とお話をするきっかけとして、出身地の話になったんですよ。
     僕は淡路島の出身なんですけど、普通は淡路島の話って、
     「タマネギ」の一言で終わるんですね。
     でもなぜか、この現場では一言で終わらないんですよ。
     「この人たちはなんで、こんなに淡路島の話を知ってるんだろう?」って、
     不思議でしたね(笑)。

津田さん:最終的には、横で聞いてた(小山)力也さんまで「淡路島って……」
     みたいな話をしてましたよね。

興津さん:ありがたいことですね(笑)。

津田さん:あとは、オペレーターの皆さんが大変そうでしたね。専門用語が多くて。

――マヤのセリフも、理系の難しい言葉が多いと思いますが、いかがでした?
津田さん:専門用語もそうですけど、とにかく言いにくい言葉が多いんですよ。
     「くっさくぎょうしゃ(掘削業者)」とか「くかく(区画)」とか。

興津さん:「だいよんくかく(第4区画)」とかね。

津田さん:船の名前がまず、言いにくいじゃないですか。「ストゥルティー号」って。

興津さん:どう読めばいいんだろうって思うよね(笑)。

津田さん:毎回みんなで「言いにくいよねぇ」って言ってた気がします。
     そういう意味では毎回、試練でしたね。

――完成した作品は、もうご覧になりましたか?
津田さん:第1話は見ました。

興津さん:マヤが可愛かったよ。

津田さん:本当ですか!? やっぱり恋が始まります?(笑)

興津さん:あんなに女の子が出てきたら、恋の1つや2つはあると思うよ。

津田さん:そうですよね。萌えっ萌えなPVもありますから(笑)。

興津さん:あれは本当にビックリしましたよ! 
     最初の特報がソーラン節で、その次は萌えっぽいソングですからね(笑)。

津田さん:放送前にほぼほぼ間違ってるPVって、なかなかないですよね。

興津さん:いや、間違ってはいないんじゃない? 
     この作品はカッコイイだけじゃなくて、可愛さもあるんだな、とは思ったので。
     でも、「なんでユニットを組んでうたったの?」っていう疑問は残りますよ。

津田さん:あれにはちゃんと設定があるんですよ!

興津さん:えっ、あれに設定があるなんて聞いたことないよ(笑)。

津田さん:私も最初、「PV用の歌をユニットでをうたってもらえますか」って言われて、
     「ちょっと待ってください!」って確認したんですよ。
     だってマヤもクレアも、人前でうたうようなキャラじゃないですから。
     そうしたら、社長のグレイマンから「エスカベイト社を宣伝するために歌え」と
     命令されて、しぶしぶ歌っているんだ、という話になって。

興津さん:しぶしぶ歌っている感じじゃなかったけどな~、アレは(笑)。

津田さん:しぶしぶ感を出したら、グレイマンに怒られるじゃないですか。
     「お前ら、そんなので新入社員が来ると思ってるのか!」って。
     グレイマンがそばで見ているので、しぶしぶではあれども、
     きちんと仕事をこなしているんです。

     PVでは流れていないんですけど、曲の最後にはちゃんとセリフで
     「なんでこんな歌を私が……」って言ってるんですよ。

興津さん:自分でツッコむんだ(笑)。
     録りはしたけど、そのセリフ自体はまだ、誰も聞いていないよね。

津田さん:そうなんですよ。
     現時点では、私とクレア役の金元さんだけがあの曲の全貌を知っているんです。

■エスカベイト社のメンバーは仕事だけの付き合い? それとも……
――エスカベイト社のメンバーで、ご自身が仲良くなってみたい人はいますか?
興津さん:……仕事だけの付き合いがいいんじゃないですかね(笑)。

津田さん:私はファルザかなぁ。
     ファルザがイドさんに懐いている様子を見ていて、うらやましいんですよね。
     ファルザはイドに対して、本当に従順なんですよ。

――確かにファルザに懐かれるのはいいかもしれませんね。興津さんは「仕事だけの付き合い」とおっしゃっていましたが……?
興津さん:基本的にはそうですね。でも、リックと遊びに行ったら盛り上がりそうですよね。

津田さん:その場が明るくなりますもんね。

興津さん:くだらない冗談をいっぱい言って盛り上げてくれる人と、
     一緒に飲みに行くと楽しいですよね。
     おもしろくないって自分で分かってるから、厳しいツッコミにも耐えてくれるんですよ。

津田さん:場が和みますよね。それでいてリックはちゃんと、空気を読んでくれるんですよ。
     本当に悪い人じゃないんです。

興津さん:イドにとっては相棒だもん。Iマシンも赤と青で。
     リックはイドのぶっきらぼうな感じを、だいぶ中和してくれています。

――女性キャラはいかがですか?
津田さん:エスカベイト社の女性たちは、みんな仕事のできる人なので……。

興津さん:カーラはIマシンにも胸があるので気になっています。

津田さん:だって、女性ですもん。いいじゃないですか。

興津さん:うん。でも硬いでしょ、きっと。

津田さん:硬いと胸じゃないんですか? 硬くても胸ですよ!

興津さん:(スタッフを見て)やっぱり柔らかいほうが好きですよね?
     ほら、男性陣はみんな頷いてる(笑)。
     僕らが収録した時は、まだ絵ができていなかったので、
     硬いかどうかまだわからないんですよ。

津田さん:えっ!? まさか揺れる可能性があるってことですか? カーラが動くたびに?

興津さん:揺れる可能性はゼロじゃないよね。

津田さん:夢がありますね(笑)。

――エスカベイト社の社員についてひと通りコメントをいただけたので、社長のグレイマンについてもお聞かせいただけますか?
興津さん:グレイマンは本当にいい社長。力也さん全力で演じていますよ! 
     豪快だけど、責任感は誰よりも強い。
     「オレがこの船を守るんだ」という意思がいろんなところから感じられるんですよ。
     社長と言うより、みんなのお父さんと言ってもいいかもしれません。

津田さん:ぶっきらぼうなんだけど、社員のことをちゃんと考えてくれています。

興津さん:力也さんは全力すぎて、現場でセリフ以外のことをあんまりしゃべらないんですよ(笑)。

津田さん:たしかに(笑)。
     収録前に毎回、「マヤ役の津田美波です」みたいな感じで、
     全員が自己紹介をするんですけど、
     力也さんが「グレイマンです」ってあいさつをするのがすごく好きでした。
     もうその時点で、グレイマンに入り込んでいるんです。

■イドはとにかく謎だらけ!?
――お話を聞いていると、エスカベイト社は意外とにぎやかというか、うるさいというか、そういった雰囲気に思えますが、いかがでしょうか?
興津さん:作品を見ていただければわかると思いますけど、イドはとにかく静かなんですよ。
     だから周りがすごく楽しそうで(笑)。
     もっと声を出したい、もっと叫びたい! って気持ちにずっとなっていたんです。
     みんなで収録の合間におしゃべりをしてるから、僕も乗っかってしゃべるんですけど、
     収録が始まったらテンションをスッと落とさなきゃいけないのでそれが意外と大変でした。

津田さん:イドは難しい役だなぁと思って見ていました。

――こうして放送前にお話を伺っていますが、実はこの状態でお話ししてもらうのは難しいことが多いんですよね。
興津さん:話しにくいことしかないんですよ!
     だからワンフェスのステージでも、踊るしかなかったんです(笑)。
     僕からお話ししたいことは、本当は山ほどあるのですが、皆さんに一番言いたいことは、
     「なんとしても最後まで見ていただきたい!」につきます。

■もし自分の意識を、何かにトランスできるとしたら?
――『ID-0』では、パイロットがIマシンに自分の意識をトランスさせて操縦する、という設定がありますが、もしお2人が何か好きなものに、自分の意識をトランスさせることができるとしたら、どんなものにトランスしてみたいですか?
興津さん:うーん、難しいなぁ……。お札とか? 
     買い物などで出したお札が他の人の手に渡っていって、いったいどこまで行くんだろう、
     何に使われるんだろうって、気になりますよね。
     すごく意外な場所に行くかもしれないじゃないですか。

津田さん:でも、折られたりしたらイヤだなぁ……。

興津さん:折られて、誰かのおっぱいにはさまれるかもしれないじゃない(笑)。

津田さん:またおっぱいの話に(笑)。私は何がいいかなぁ? 月になったら地球が見えるかなぁ。
     そうやって実際に、地球を外側から見てみたいと思います。
     宇宙飛行士になるのは大変ですから。

興津さん:空を見上げると、月が津田の顔になっている、みたいな(笑)。

■第1話を見たら、絶対に続きが気になる作品です!
――これから放送を見る人に、ここを注目してほしいというポイントは?
興津さん:とにかく第1話で切らないで! 1クールで終わりだから!(笑)

津田さん:第1話を見た人なら、絶対に続きが気になる作品だと思うんですよ。
     完成した第1話を見たのは、まだアフレコを行っていた時期だったんですけど、
     大原さやかさんや皆川純子さんがすごく盛り上がっていて。
     皆川さんはその次の収録の時、
     スタジオに入ってきた瞬間に「おもしろいよね!」って言ったぐらいですから。

興津さん:女性陣のテンションがすごく高かったですよね。

津田さん:ロボットアニメというと男性が観る、みたいなイメージがあったりますけど、
     これは女性にもときめいてもらえる作品になっていると思います。
     もちろん、Iマシンの機体などは細かく描かれていますし、
     そういう意味ではマニア心をくすぐられるような作品にもなっていると思うんです。

興津さん:女性キャラも可愛いですから。
     マヤが可愛いのは絵を見てもらえば分かると思うんですけど、
     Iマシンのマヤ機がまた、シンプルなデザインで、
     一見すると地味なんですけどすごく可愛いんですよ。

――では最後に、第1話を見ようかどうしようか、まだ迷っている人を後押しするメッセージをお願いします。
興津さん:おもしろいので、見ないと絶対に後悔しますよ。 
     必ず見て、1話で切らないで、せめて7話、
     いや、やっぱり最後まで見てください。お願いします。
     だって最後まで見ないと、本当に伝えたいことって、わかんないじゃない?(笑)
     ただ、お話の途中で何が出てきても、ビックリしないでくださいね。

津田さん:『ID-0』って、いろんなことが裏切られる作品だと思うんですよ。

――それはもちろん、いい意味で、ですよね?
津田さん:もちろん、いい意味で(笑)。
     放送前にPVを見たり、ソーラン節やキャラクターソングを聞いていただいたりした人も、
     実際の作品を見てもらえば、いい意味で裏切られると思います。
     さらに放送が進んでいくと、作品のなかでも「えっ、こんなことが!」って、
     いい意味で裏切られると思います。
     私たちキャストも第1話を見て、すごくおもしろいという感想を持ったので、
     皆さんもまず第1話を見てください。
     そうしたら絶対に続きが気になるはずですので、次に第2話、
     そうしたらあっという間に最終話まで突き進めると思います。
     そのためにも、まずは第1話を見ていただけたらと思います。よろしくお願いします!
――ありがとうございました。